
CL決戦。いよいよ、’91日本シリーズが開幕する。赤ヘル対ブルー・
レオ、西武有利という前評判だが、さて、どうだろうか。私は先週、広
島の胴上げを間近で見ているだけに、カープナインのことがとても気に
なる。
ちょうど1週間前の12日。広島は秋晴れの下、私を迎えてくれた。生
まれて初めて訪れた広島は、街並みの第一印象は「銀座」。その思いは
球場に近づくにつれ、より一層強くなった。
商店街は優勝を目前にして、大変な盛り上がりをみせていた。まさにカ
ープ一色。「V6」「めざせ日本一」と書かれた垂れ幕がスーパーマーケ
ットやデパートに掛けられ、くす玉、試合経過を伝えるスコアボードが
あり、カープ応援歌もエンドレスで流れている。
東京にいる私には、とても新鮮な光景だった。米大リーグが、地元ファ
ンと球団が一体となっているように、カープも市民とともにある。「ボ
クのチーム」「私のカープ」といえる広島のファンは素敵、羨ましい。
東京ではそうはいかない。確かに、巨人ファンは多いが、ヤクルトも日
ハムもある。首都圏には大洋も西武もロッテもある。街全体が特定球団
のカラーに染まるようなことはないのだ。
そして13日、早朝から球場はVの瞬間を見ようというファンで溢れ、
まるで”赤い絨毯”を敷きつめたように、カラフルな応援で揺れた。興
奮と感動の中、念願の12年ぶりの地元優勝。ファンの歓声とともに、
山本監督の体が何回も宙に舞った。
恒例のビールかけは、今年は球場内で行われた。選手の表情は、勝利を
手にした喜びでキラキラと輝いている。私も、頭から浴びるようにビー
ルをかけられた。ひんやりとして、苦味が走って、目が痛くて。その目
をうっすらと開けたら、グラウンドの人達、選手が水滴とともに光って
見えた。まさに、選手やファンと勝利の美酒に酔った夜だった。
その夢のひと時。今度のシリーズでは、どちらに勝利の女神がほほえむ
だろうか。赤勝て、青勝て。