読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋・・・。皆さんは、どのような秋を
過ごしていますか。日本シリーズは、西武が逆転で日本一に輝き、幕を
閉じました。これから野球はシーズンオフ。私も久々に休日がとれ、芸
術の秋を味わおうと、都内のある美術館に足を運びました。
展示されていたのは、サルバドール・ダリの作品。ダリといえばスペイ
ンの偉大なるマルチアーティスト、シュールレアリズムの代表作家。私
が、作品にも人間的にも興味のある人物の一人です。
彼の作品に初めて接したのは、確か中学2年の時。その非現実的な作品
に、最初はとまどいました。キリンのような長い足を持つ象。ぐにゃり
として、枝にぶら下がる時計。その発想には常に驚かされます。唇をか
たどった巨大なソファを見た時は、人目も気にせず大笑いをしてしまい
ました。
そんな彼の作品の中で、私が一番好きなのは「ポルト・リガトの聖母」
この作品をご覧になったら「えっ!そんなノーマルな作品が好きなの?
!」と言われてしまいそうですが、数年前に、個人所有のこの作品が日
本で初公開された時、私は雷に打たれたような大変なショックを受けた
のです。
この絵は3メートル以上ありそうな巨大なサイズが1枚、そして今回公
開されている普通のサイズと2枚存在するようです。私が見たのは巨大
な絵。まず、その大きさに圧倒されました。絵の中の風が私に向かって
吹いてくるような気がしたのです。砂漠みたいな景色から頬をなでるよ
うなやわらかい風。小躍りしたくなるような感動に、私はしばし見とれ
てしまいました。絵を見てこんな気持ちになったのは、初めてでした。
以来、私はダリの大ファン。1989年1月、彼は亡くなりましたが、
今も多くの人の心をとらえて離しません。今月から、彼の奇想天外な生
涯をテーマとした映画も公開されています。
ダリ以外にも、素晴しい画家がたくさんいます。せっかくの芸術の秋。
あなたの心を打つ一枚を見つけてはいかが。