92.6.27 英国国民に身近な皇室

今月に入ってから、英国のダイアナ妃がチャールズ皇太子との結婚生活に失望し、
5回も自殺未遂を図ったと暴露した本「ダイアナ=真実の物語」が、英国国内のみな
らず、世界中で話題となっている。米テレビ局は、この本を題材にテレビドラマを制
作する、と発表。日頃はマスコミなどを通じてしか垣間見ることのできない王室だけ
に、いやが上にも関心は高まってきている。

ところで、私は英国留学中に、英国皇室に対する市民の関心の深さに、驚かされたこ
とがある。初日の授業が終わり、宿題が配られた。それは、家系図の穴埋め。しかも
ロイヤルファミリーの家系図だった。この図を、ステイ先の家族と話し合いながら、
記入してきなさい、と言うのである。帰宅後、私は、この宿題を彼等に持ちかけるこ
とを躊躇してしまった。皇室と市民との関係が密である、とは聞いていたが、多分、
この全てを答えることは不可能なのでは、と感じたからだ。

それが、家系図を出したところ、まず、ホストマザーがスラ、スラッと書きこみ、そ
の横で5歳の子供が「ここはアンドリュー、ここはチャールズ・・・」と楽しそうに
答えていく。それだけでも充分、驚くに値するのに、「彼の趣味は、狩猟と・・・」
と言いだしたから、もう、唖然としてしまった。このようなこと、日本の一般家庭で
はあまり見られない光景ではないだろうか。

でも、これは私のステイ先だけかもしれない、というさらなる私の勘ぐりは翌日、一
掃されてしまった。どの家も、完璧に系図を書き込んでいたのだ。彼等にとって皇室
は、それだけ隣人のように身近で、また、愛情を持って接しているということの表れ
なのかもしれない。このような英国人にとっては、ここ数年の王室の騒ぎは悲しいこ
とで、王室を見る目もかなりシビアになったのではないだろうか。

とにかく、英国国民に限らず、全世界の女性にとってダイアナ妃は現代のシンデレラ
ストーリー、憧れの的であることに変わりはない。ダイアナ妃の美しい笑顔が涙で曇
ることがありませんように。