Freer Gallery Of Art (フーリア美術館)

Jefferson Drive と 12th Streetの間 SW
Open Hours 10:00-17:30
TEL(202)357-4880・Recorded Info (202)357-3200
Freer Arthur and M.Sackler Gallary Homepage

DCに来てまで、と思うかもしれませんが、今回は東洋の美をチェックしてみましょう。 (東洋の魔女ではありませんよ〜?おいおい。)なぜか、と言うと。ここには決して日 本に来ない、日本の最高美術品があるからなのです。



まずはそのいきさつから。この美術館の創設者チャールズ・ラング・フーリアは、 1890年頃から美術品の収集を始めました。彼が色々なコレクションをしていくう ちに、J.M.ホイッスラーという東洋の美術に強い関心を持つ画家と親しくなり、フー リアはホイッスラーの作品の最大のコレクター兼パトロンになったのです。

ホイッスラーは東洋美術に関心があるだけあって、本人の作品にも東洋の影響が色濃 く出ていました。ホイッスラーはフーリアに、東洋の美術についての理解を促したの です。それからというもの、フーリアは、中国の陶器から、日本、中近東の美術の収集を始めました。左にあるのがホイッスラーの作品。着物を着た女性を始め、室内の装飾の描き方にも、彼の東洋趣味が出ていますよね。フーリアのコレクションには、これらホイッスラーの作品はもちろん、この時代のアメリカ美術のコレクションもあります。そのどれもが、20世紀のアメリカ美術とはまったく異なる、柔らかい曲線で描かれた作品ばかり。ここ、フーリア美術館に来れば、アメリカ芸術の違った側面を見ることも出来るのです。



フーリアは自分の死後、これらのコレクションを国に寄贈したいと申し出ました。彼は自分のコレクション2250点はもちろんのこと、美術館の建設費用50万ドルの寄付もしたそう。亡くなるまでに集められた収蔵品は2700点。それが、この美術館のコレクションになりました。た だし、その遺言には「彼の死後(1919年没)は、アメリカ美術のコレクションの追 加をしない事。又、他の機関との貸し借りも固く禁じました。基金からの収益は、最高の美術品の購入と研究費にあてるように指定されました。

その結果、彼の死後、管理・研究員の指導の下に購入された物品と、 パトロンからの寛大な寄付などによって、この美術館のフーリアのコレクションは、倍の数になったものの、同時に、ここでしか見られなくなってしまったのです。そう!だから、ここは来る価値あり、の美術館なのです。

フーリア美術館の目録には2万6千以上の収蔵品が載っていますが、その全てを1回に展示する事はなく、周期的に展示変えをしているそうです。私が行った時には、お土産屋さんで絵ハガキになっているような有名な日本の作品はほとんどありませんでした。(例えば、歌麿の作品「相模土蔵月下遊宴の図」や彫刻「南方守護天」)でも、恒久展示のいくつかはもちろんありましたので、それを見ていきましょう。

この美術館で一番のお勧めは、何と言っても、ギャラリー(室番号12)にある孔雀の間(Peacock Room)。これはホイッスラーが1876年にイギリスの商人の依頼を受け、制作された部屋。それがそのまま、このフーリアギャラリーに復元されています。これはすごい迫力です。但し、部屋の中は暗いので、カメラを通常の明りで撮ると、真っ暗になりますのでご注意を。

これが孔雀の間。通常の明りでは暗くて、こんなにきれいには撮れません。

この部屋、元々は別の作家の手のよって、赤と金を基調にした部屋が作られました。が・・・。その色合いでは自分の作品の繊細な色調が壊れてしまう、と考えたホイッスラーが、自ら手を加えて、青をベースに、金を加え、孔雀がそこかしこにデザインされた部屋に塗り変えてしまったのだそうです。(ちなみにこのホイッスラー美術館のお土産コーナーで、そのいきさつを漫画にした本が販売されています。)

この部屋の天井は孔雀の羽の模様がびっしりと書かれ、重厚な雰囲気を醸し出しています。壁には中国の陶器が置かれ、そして暖炉の上にはホイッスラーの作品(左の写真)「陶器の国から来た皇女(The Princess from the Land of Porcelain)」が。この絵のモデルは、ロンドン在住のギリシア総領事の娘さんだそう。重苦しいほどの部屋の中で、東洋趣味ながら、柔らかい雰囲気を持っています。この部屋にあるからこそ、この絵が一層ひきたって見えるようです。



この他に日本の美術品と言えば・・・。(私が行った時にはほとんど屏風絵しかなかったのですが)まず俵屋宗達が描いた「松島図屏風」。これはなかなかの迫力。(写真下)


そしてTosa Mituoki(か、漢字がわからない〜!)による「源氏物語」(写真下)も色鮮やか。まさに宮廷絵巻を見ている感。

もちろん、絵画だけでなく、彫刻類も豊富。鎌倉時代のこういった彫刻もあったりして。(説明書きにはGuardian figureとありました。)ちょっと唐突に目の前に現われたので、思わず写真を撮ってしまった私。

  

この美術館は階下で隣のサックラーギャラリーとつながっています。(右の写真がサックラーギャラリーの入り口)サックラーも東洋芸術が盛りだくさんの展示内容です。(ちなみに1997年12月から98年3月までは日本の皇室のコレクションが特別展示されています。)フーリアが他の美術館から借りてきた美術品を展示出来ない欠点を、このサックラーがカバーしているのです。フーリアとサックラー、この2つの美術館をじっくり見ると、帰る頃にはちょっと、東洋美術について、目が肥えそうですね。